先ず、ざっとメカニズムについて説明致します。
1.頭蓋について
頭蓋とは頭部の骨格の総称で、23個の頭蓋骨により出来ています。
個々の骨は、縫合結合と呼ばれる繊維性の組織で隣り合う骨と繋がっており、この継ぎ目は僅かですが可動性があり、動く事が出来ます。
また、脳は脳脊髄液と呼ばれる液体に浮かんだ状態で、この頭蓋の中に収まっています。
脳脊髄液は血液と同様に、一定のリズムで頭蓋から脊柱の中を循環しており、
このリズムに伴い頭蓋全体が微細な膨張・収縮の動きを繰り返しています。
この動きは、クレニオ・リズム・インパルス(CRI)と呼ばれ、動く量は約0.01o程度です。
ところが、日々のストレスや交通事故などの衝撃で継ぎ目が硬化したり、全体が
歪んでしまう事があります。
こうなると、本来はスムーズな膨張・収縮の動きが歪んだ動きとなり、同時に動きの量そのもの小さくなり、疲れやすくなったり、朝起きても疲れが残っていたり(倦怠感)、
体調不良や不定愁訴の痛みの原因になってしまうことがあります。
目の奥にも継ぎ目があり、眼窩(がんか)の部分の硬化は慢性的な眼精疲労の原因となり易いです。
2.脳脊髄液の循環、及び役割について
頭蓋骨と脳、脳脊髄液について、もう少し詳しく説明します。
先ず、頭蓋と脊柱、仙骨、尾骨は繋がり合って1つの系を構成し、その中に硬膜及び
硬膜管と呼ばれる膜が袋状に存在し、その中に脳脊髄液が満たされ、その液中に右脳、
左脳、小脳、中枢神経が浮かぶように収まっています。
そしてこの脳脊髄液は1分間に10〜15回のリズムで循環しています。
言い換えると、硬膜及び硬膜管で出来た「皮袋」に脳脊髄液が満たされ、その中に脳と
中枢神経が浮かぶ様に収まり、この皮袋は頭蓋と脊柱、仙骨、尾骨で出来たハードケース
に収納されている事になります。
また、硬膜は内側に折り曲がって入り込む事で、右脳と左脳を隔てる大脳鎌、大脳と小脳
を隔てる小脳テントを形成しています。
脳脊髄液の役割ですが、まず第一に物理的な衝撃に対するクッションの機能が挙げられます。
脳はとても柔らかい組織ですが、頭部を強打しても、脳脊髄液のクッションで守られる訳です。
イメージとして、豆腐を保存する時に容器に水を張りますが、こんな感じです。
生理的な役割としては、脳への水分の補給、神経の新陳代謝やホルモンの運搬の役割を
果たしていると考えられています。
ところが、頭蓋の歪みや硬化、及び膜の歪みや捻じれにより、脳脊髄液の循環が本来の
スムーズさを失ってしまう場合があります。
特に大脳鎌や小脳テントは脳脊髄液の液中に張り出しているため、この部分の歪みや
捻じれは、脳脊髄液の循環に大きな影響を及ぼします。
頭蓋や硬膜(大脳鎌、小脳テント)の歪み、硬化、捻じれ等をリリーズする事により、
脳脊髄液の循環を改善し、脳そのものの活性化が図れます。
以上が頭蓋の概要になります。
ストレスや疲れ、痛み等の外的要因、内的要因によって頭蓋が歪むと脳脊髄液の循環が
悪くなり疲れが抜けない(倦怠感)、睡眠障害、イライラしやすい、不定愁訴の痛み等、
様々な体調不良が起きてしまうという事です!
そういった事から当院では筋肉だけではなく頭蓋の状態にもアプローチをし、
患者様の症状を根本から治していくスタイルで施術させて頂いております。